今、(放飼場の櫓に)刺している孟宗竹という種類の竹が主食です。他には、メスのリーファにはリンゴとペレット、雄のショウショウにはリンゴ、バナナ、キウイフルーツ、サツマイモ、ニンジン、ペレットをあげています。ショウショウとリーファでメニューが違うのは、元々いた動物園が違っていて、その動物園に倣ってエサを変えています。
好き嫌いは、――基本的に2頭ともリンゴが一番好きです。竹にはだいぶ好みがあるようで、孟宗竹の中でも好む竹と好まない竹があって、それでエサを取ってくるのが大変ですね。
そうなんです!買うのではなくて、職員が取ってきています。同じ孟宗竹でも、好きそうなものを選んで取ってくるのが結構大変ですね(笑)
葉っぱが密なものは好まないですね。なので、葉っぱがある程度まばらに生えていて美味しそうなものを選んでいます。後は、枯れていたりするものはあまり好きではないですね。感覚的なものなので難しいですね。
元々高い木の上などで樹上生活をしている動物なので、展示場(獣舎)でいえば、高いところに休む場所を作ってあげています。
オスのショウショウは割と人に慣れているので、体に触ったりとかブラッシングとかは全然問題なくできます。
メスのリーファはどちらかというと神経質な性格なので、体に触るのも嫌がりますし、人間と適正な距離を置いてという感じです。
そうですね(笑)
野生動物なのでお風呂は入りません。
ブラッシングは、メスのリーファは触ると嫌がるのでできていませんが、オスのショウショウは体に触ることができるので、ブラッシングをしてあげています。
レッサーパンダは個体によって毛の質が違っていて、リーファは(特に手入れをしなくても)元々の毛並みがフサフサですね。
リーファはショウショウほど目立ちませんでしたが、部屋の中などを掃除していると毛が落ちていたので、人知れず毛は生え変わっています(笑)ほとんど見た目にわからないとは思うのですが…。
そうですね!生え変わっていました。
可能な限り時間があれば、手でリンゴをあげるようにしています。雄のショウショウに関しては、ブラッシングなど体に触ることができる子なので、時間があるときには触るようにしています。そうすることで、薬を塗るときや治療するときとかに役立つので、可能な限り触っています。
もし、明日薬を塗らないといけないという状況になったら、…触れないので、ちょっと厳しいですね。
実際に仲がいいかは、一緒に中に入れてみないとわからないですけど、激しく威嚇したりなどはないので、そこまで仲は悪くないのかなぁとは思います。
今後は、もうすぐ繁殖の時期なので、様子を見て一緒に入れていきたいと思っています。時期については決定はしていないので、繁殖の時期はペアリングをしていきたいと思います。
ほぼ必ず一緒にする予定です。
そうですね(笑)
自分は見たことないです。自分が知らないうちにやっているのかもしれないですけど、威嚇をして立ち上がっていることはないです。
ほかの意味合いで立ち上がっていることはあります。
そうですね。あと立って周りを見渡したり。例えば、高いところの竹を食べるときも、立ち上がって手で手繰り寄せて食べたりするので、立つことはしています。
それが、ないんです。事前に質問を見せてもらって考えたんですけど、…ないんですよねぇ(笑)
(ここからはSNSに送られてきた質問です。)
季節によって変動しますが、大体6kg~7kgの間です。
毛を刈ったり全部抜けてしまったとしたら、細いですね。ちなみにリーファよりショウショウのほうが重たいです。ショウショウが最高で6.9Kg、リーファはそこまでいかないです。
あと人間でもそうだと思うんですが、男性のほうが骨格がしっかりしていたりするので、その差もあると思います。
意図的にウインクはしません(笑)
ウインクしているような写真はあるんですけど、たまたま片目をつむった写真だと思います。
朝昼晩問わず、竹はいつでも食べられるようにしてます。朝と昼は少しリンゴをあげて、夜に最初に言ったエサのメニューをあげてます。
人間でいうところの3食という感じではなくて、朝は外に出るんだよということを教えるためにエサをあげています。お昼は、入れ替えをするのとお客さんに食べるところを見てもらえるんでお昼にあげています。
そうですね。メインは夜ご飯で、竹に関しては24時間置いている、という感じです。
エピソードは…難しいですね(笑)
レッサーパンダの最初の担当になりましたので、色々獣舎のつくりとか、こういうの(櫓)を作ったとか、リーファを多摩動物園に迎えに行ったりとか、ショウショウをセントレアまで迎えに行ったりとか、というのがエピソードになるんですかねぇ(笑)
リーファは見ての通り整った顔立ちですね。ショウショウはよく人に慣れているので、リンゴが欲しくて足元に寄ってきて催促したりとか、体も触ることができるので、あとはあまり物怖じしない性格なので、お互いいい性格、魅力的な2頭だと思います。
バックヤードでは、2頭別々の部屋で過ごしています。あとは竹は好きな時に食べられるように設置しています。夕方収容して帰ってしまうので、カメラも寝室には付けてないので、夜のことはちょっとわからないですね…。寝て、お腹がすいたら起きて、竹を食べて、って生活していると思います。
あります!地面では寝ないので、寝室内にも割と高い位置に台(寝床)を設置していますので、リーファもショウショウも高い位置で寝ています。
そうですね。高い台(寝床)で寝ています。
竹は園(のんほいパーク)の近くの地主さんにお願いして、無償で採らせていただいています。軽トラックで行って、のこぎりで切って持ってきてます。
体調チェックは普段の動きとか、エサのどのくらい食べたか、便が正常な形をしているか、等を見て判断しています。
ハズバンダリートレーニングはやり始めてたんですけど、(人員の配置などで)落ち着かない時期があったので、いったんお休みをして、落ち着いたら再開しようかと思ってます。
レッサーパンダは水に入らない、水を怖がったりする動物といわれていたので、仕切りのために作りました。ですので、最初は間の柵は途中までしかなかったのですが、どうやらうちの子は水をあまり怖がらないらしくて、想定外で水に入ってしまうので後から柵を追加しました。
ショウショウは入っちゃうんですよね(笑)
ううん…なんで入っちゃうんですかねぇ(笑)
なんで入っちゃうのか自分も聞いてみたいですね(笑)
ショウショウは豊橋総合動植物公園の所属です。リーファはとべ動物園です。
そうですね。借りています。
そうなることは少ないと思います。
一応、所属はとべ(動物園)ですが、レッサーパンダは頻繁に異動が行われている動物なので、生まれた赤ちゃんの行先については種別調整者の方が判断してくれるので、もし生まれてもその子がどこに行くかは全く未定ですね。
種別調整者の方っていうのは、全国のレッサーパンダの血統の状況とか、この子とこの子なら掛け合わせていいとか、この子とこの子を掛け合わせたほうが、長い目でみてレッサーパンダを残すにあたって、いいっていうのを判断する立場の人です。
ただ言えるのは、リーファとショウショウに関しては、子供を産ませていい血統ということですかね。
今それ(鳥の鳴き声)もそうだし、そこ(レッサーパンダの獣舎の前)も工事しているので、最初よりは音には慣れてきていると思います。
ただ大きな音が鳴ったりすると、たまにびっくりしちゃったりするので、あまり大きいと(中と外を)出入り自由にしています。ここ(獣舎)は中でも外でもお客さんに見てもらえるので、いいんですけど、あまり工事に驚いちゃってると、奥の部屋の扉も開放して、出入り自由にできるようにはしているんですが、最近はだいぶ慣れてきたんで、外に出てもらっている形をとっています。
厳密におやつタイムというものは設けていないんですけど、11時から12時の間に展示場の入れ替えを行っているので、その時にリンゴをあげていますので、その時にリンゴを食べている姿を見ることができます。
担当が複数人いるのでその人によってやり方が違うんですけど、手であげられる人なら、手であげるようにしています。
今はこういうご時世なので…。コロナが蔓延する前は定期的にやっていたんですけど、今のところは少しお休みをしてる形ですかね。厳密にレッサーパンダのガイドはこの日です!と掲示することはないですね。
そうですね!
定期的ではなく、不定期になってしまうんですけど、ガイドするときは掲示して告知してやっていくと思います。
新しく施設ができるにあたって、それは種別調整の方が、繁殖可能でなるべくいい血統の子というので、考えてくれてこの2頭になりました。
そうですね!うちからこの子が欲しい、あの子が欲しいと言ったわけではありません。
お忙しいなかたくさんの質問にお答えいただき、ありがとうございました!
インタビュー日:2020年12月15日(火)