オスのダーナなんですけど、ダーナはうちの動物園で長い間飼育されている個体で、性格は繊細な性格で新しい場所とか物に対しては慎重に行動する性格です。人が気づかない細かい餌なども発見して器用に鼻先で取ることができます。
アーシャーはとっても賢い子で、鼻の届かないところ、例えば天井だったりとかにあるものも道具、長い棒なんかを使って取ったりとか、悪戯することがたまにあります。
次にチャメリーは、食欲旺盛というか、食いしん坊、食い意地を張っている?(笑)そんな感じの性格で、他の個体のごはんも結構横取りするような食いしん坊な性格ですね。
インドからきた3頭ですね、チャンパカとバヴァーニ、ドローナが3頭で夜間と日中も一緒に過ごしているんですけど、結構3頭とも仲良くて、一緒に遊んだりとか一緒に過ごしている姿が見られます。
うちは6頭のゾウを飼育しているので、ゾウ同士のコミュニケーションですね。
同じ場所には出ていないですけど、他の個体に鼻を伸ばしあってやり取りというか、コミュニケーション取ってる姿がおすすめですね。
(柵で)区切られているんですけど、ダーナとドローナ達、チャンパカとバヴァーニは鼻でヤーヤーやってる姿が見られるのでおすすめかなと思います。
ゾウは主に乾草ですね。チモシーを与えています。
季節によって園外の河川に生えているセイタカヨシとセイバンモロコシ、あと西園の駐車場の横に畑があるんですけど、そこで育てた牧草のイタリアンライグラス、あと竹とシラカシの枝です。
キリンにシラカシをあげているんですけど、キリンは葉っぱしか食べないので残った枝の部分を与えてます。
また、トレーニングをするときは、にんじんとりんご、さつまいもをあげています。
好き嫌いありますね。たまにしかあげないんですけど全頭共通してパイナップルが好きです。
ダーナはイモが嫌いです。サツマイモが嫌いなのでダーナはイモはあげてないです。で、ほかの子たちは基本的にイモが結構好きな子たちが多いですね。
体重測定は行っていません。体重計がないので行っていないです。
ただ、定期的にボディコンディションスコアっていう体型の9段階のスコアの表を、ファンの全員(7人)で照らし合わせて、今が何番か、例えば、スコアが5くらいだなっていうのを見合って身体の肉付きとかを見ています。
それで、太ってるか痩せてるか判断しながら餌の量の調整とか行っています。
そうですね、結構わかりやすくて、今あの腰骨のあたりとかちょっと凹んでいるのわかると思うんですけど、あそこらへんが餌が多い時期は結構ふっくらしてきたりとかします。
ダーナもチャメリーとペアリングの際は、餌ほとんど与えないときがあるんですけど、そうするといつもスコアが5か6くらいのスコアを維持しているんですけど、ペアリングの時は餌を切るのでスコアが3~4とかになったりとか、結構わかりやすく出るのでそういうのを参考にしています。
アジアゾウには好かれますか?また懐いてくれたなと思う瞬間はありますか?
そうですね…、職員を見分けているなというのは感じますね。懐いているというよりかは、ちゃんと職員一人一人を認識しているなという風に思います。
トレーニングは毎日2回行っているんですけど、ゾウに慣れてからトレーニングを行うので、ゾウを担当になって1年目は何もゾウに触れることなく掃除とかエサの準備とかやりまして、2年目から餌をあげたり段階を踏んで、そして3年目からトレーニング少しずつ参加していくっていうような感じになるので、一人一人を覚えているのかなというようには感じますね。
飼育員の方々がお仕事をされる中で「可愛いな」と感じたエピソードなどはありますか、逆に少し「困ったなぁ」と思うことはありますか?
かわいいと思うところは、ゾウは午後からメスの群れ4頭で大放飼場で飼育しているんですけども、本来野生ではメスの群れを作って暮らしている動物なので、結構コミュニケーションをとる姿が見られます。
中でもお互いの口にお互いの鼻を入れたりとか、あと、結構アーシャとチャメリーは基本的に一緒いたりとか、チャンパカとバヴァーニも姉妹のような関係で、本当にコミュニケーションをよくとる動物なのでそういった姿はかわいいなと思います。
あとは、バヴァーニですね、一番若い個体なんですけど、結構よく鳴いて鳴き声が聞ける子なんですけど。
バヴァ―ニは大きな音とか大きな鳥とかが近くに来るとびっくりして鳴くことがあるんですけど、大きな声で鳴いたときは、チャンパカが駆け寄ってきて…、「どうしたの?」って感じで走ってくることが結構頻繁に見られるので、そういうとこがかわいいなって思います。
困ったエピソードは…、うーん、さっき言ったようにチャメリーが結構食いしん坊で他の個体の餌をとったりしちゃうので、チャンパカとバヴァーニはまだ小さいので餌を横取りされている姿を見るのでそれは困っていますね(笑)
飼育をしていて、この時会話出来たらいいなと思うときはいつですか?
トレーニングですね。
足の裏を削ったりとか、耳の裏に針を刺して採血を行っているんですけど、そういう行為は職員からすればゾウ達を思ってやってることなんですけど(笑)、やっぱりゾウ達にとっては痛いし、嫌だなって思うところは多分あると思うので、ゾウ達のことを思ってやってるんだよっていうのを言えたら言いたいかなって思います。
部屋に帰りたいときは、自分の部屋の前で待っていたりすることは多々あります。
あとお腹が空くと、ご飯をあげる時間は大体決まっているんですけど、その時間になったりするとその場所で待ってるってことがよくあります。
見分け方は、看板も設置してあるのでそちらも見ていただければと思うんですけど、基本的には耳の形などで見分けることができます。
耳が綺麗な三角形だったりとか、上のほうが折れ曲がっていたりとか、アーシャだったらちょっとピンクぽかったりとかするので、そこが結構見分けやすいポイントかなと思います。
あとゾウ達6頭ごとかなり性格が違うので日中の行動を見て個体を見分けることもできます。
ゾウさんたちの帰宅パターンが難しいので教えてください。
夏の間はですね、外にいても心地いい温度なので、夜間も外に出られるように寝室と外を行き来できるようにしています。
冬になると外は寒いので、収容前にご飯を置くために一度外出てもらって、待ってから室内に入ってもらったりとかします。
あとトレーニングをするのに、一度トレーニングして外に出てっていうのがあるので、パターンというといつも変わったりするので詳しくは言えないんですけど、トレーニングとか餌を置いたりする関係で行き来するようにはなってます。
ゾウの繁殖計画は順調ですか?また、ダーナとチャンパカが柵超しに仲良さそうにしているのを見ましたがペアリングの可能性はありますか?
ドローナ、チャンパカ、バヴァーニのペアリングはいつ頃から始まりますか。
ダーナとチャンパカが柵越しに仲良さそうにしているのを見たのですが、ペアリングの可能性はありますか?
ダーナとチャメリーは、チャメリーの発情のタイミングで定期的に行ってはいます。メスの発情は100日周期で来るので大体100日くらいのペースで二人を同居させてペアリングを行っています。
今回も11月の後半にペアリングを行って、交尾も確認できているんですけど妊娠は確認できてないので…ちょっと期待するような感じ(笑)ですかね。
ドローナとチャンパカとバヴァーニは日中と夜間も一緒にしてるので。そうですね、たまにちょっとマウントしてることあるんですけど、まだオスのドローナが練習中といいますか、練習でマウントしたりとかは見られます。
で、ダーナとチャンパカは…、多分ペアリングの可能性はないです。
チャメリーさんは、懐妊したら神奈川へ戻るとききましたが、何年契約など具体的な年数があるのでしょうか。
チャメリーは、今横浜の動物園の方が月に1回こちらに来てくださって、いろいろケアしてくださっているんですけど。
そちらの方といろいろ話し合いながら進めているので、ちょっとまだ何とも言えない感じですかね。
チャメリーさんは、夕方にバヴァーニちゃんを追いかけまわしてる(飼育員さんも、チャメリーと呼んでる時がある)事がありますが、なぜでしょうか。
そうですね、夕方になるとチャメリーはおなかが結構空いてきたり、イライラしているような感じですかね多分。なので、バヴァーニとかに対して攻撃的になる時があるんですけど。
そういうのをできるだけ忘れるために、細かく時間を区切って餌をあげたりとかで対策はするようにしてます。
群れをとりまとめる長が存命中に世代交代ってありますか?
これは、ちょっとわからないんですね。
何とも言えないんですけど、アフリカゾウはこういうのあるみたいなんですけど、うちはアジアゾウで、アジアゾウは血縁のメスの群れを作るのでない…何とも言えないですね(笑)すみません。
ゾウのうんちの処分方法についてなんですけど、堆肥とかにしているんですか?」
数年前、園路工事中のためゾウ舎裏の通路を通らせてもらいました。その時にゾウのうんちの大きな山を見て驚きました。あれはどのように処分しているんですか?堆肥にしたりするんですか?
うちの動物園では堆肥にはしてないので、業者の方に処分してもらうようにしてます。
その後はちょっとわからないです。
お忙しいなかたくさんの質問にお答えいただき、貴重な情報を知ることができました。ありがとうございました!
インタビュー日:2023年12月12日(火)