コフラミンゴ

コフラミンゴたち(2019/12/12)

ヨーロッパ系のチリーフラミンゴなんかは、結構いろいろな動物園で見られるんですが、小型フラミンゴ(コフラミンゴ)は数が少なくて、貴重なんですよ。とても長生きで、50年ぐらい生きます。生まれてすぐは灰色ですが、1年ぐらいでピンクになります。

ご飯は何を食べていますか?好物とかはありますか?

野生のコフラミンゴっていうのは、塩湖…だいたいPh7から8くらいの場所で生活しています。そこで湧く藍藻(らんそう)類のスピルリナというのを食べています。
動物園では、スピルリナも少し…高いので(笑)少しだけあげています。緑色の粉です。

(人間のサプリでもありますよね?)

そうですそうです!最近見かけますね、同じスピルリナです。

鮒粉(ふなこ)という魚を乾燥したもの、米ぬか、トウモロコシを精製するときに出るコーンミールなど栄養化が高いものですね、それを丸い粒にしたフラミンゴフードというものがありまして。2つの会社のものを半々ぐらいの割合で混ぜています。

それをベースに、午前中はオキアミをミキサーにかけたもの、午後はオキアミを無しにしてスピルリナをお玉の半分ぐらいまぜて与えています。スピルリナにはビタミン、β-カロテン、カロテノイドなどが入っていて、色を生成したりする助けになります。
ご飯は朝夕2回で、夕方の方が量が多いです。

(先ほど塩湖というお話がありましたが、塩的なものはあげないんですか?)

今はあげていないですね。たまたま塩湖に生える藻を食べている関係で、都合がよいので塩湖に住んでいるだけで、生きていくのに特別に塩分が必要というわけではないんです。
海にすんでいるアザラシを動物園で飼育するのに淡水で飼育しているのと同じ感じです。

過ごしやすい環境にするために何かしていることはありますか。

水鳥なので、足に水かきがあります。冬は乾燥しやすいので、足の水かきが荒れやすくて、切れやすくなります。なので、地面を平らして石とかを取り除いているのと、毎日、地面(コンクリート)の表面に水を撒くようにしています。エサやりと同時に、1日2回は撒くようにしています。豊橋は、風が強くて乾燥しやすい地域なので、より気を付けています。

また、残ったエサで水が汚れたりするので、週に1回は水を全部抜いて掃除をして、水替え(井戸水)をしています。塩素消毒も行っています。

エサを食べるコフラミンゴ(2019/12/12)

(奥にある岩山には滝が流れていますが、あの滝は水浴びのためにあるんですか?)

あれは雰囲気です(笑)。水浴び用ではないですね。
アフリカ園ができてもう26-7年になるんですが、作るときにやっぱり自然に近い雰囲気を作ろうと。旭山さんがブレイクするずーっと前なんですけどね(笑)。

(奥に一部だけ金属の板が貼ってありますが、あれは何のためにあるんですか?)

野生では群れで繁殖したり行動したりしています。鏡を貼ることで(コフラミンゴ達に)数を多く見せるためです。巣も鏡の前に作ることで、自然にあの辺り(鏡の前)に集まるので、大きな群れと錯覚させています。数がたくさんいると繁殖しやすいと言われているので、鏡を置くことでいい影響があって、卵を産んでくれたらと期待しています。

(鏡の前に集まっているので「何か」はありそうですね)

そうですね。でも、実際は、あまり鏡を置いている動物園は少ないですね。
他の種類のフラミンゴと混ぜて飼うことで、数を増やして発情を促すようなところはありますね。うちは今27羽いるので、コフラミンゴだけで群れにしています。

鏡効果で繁殖が成功してほしいです!
富士山のような形で土を盛っているのが巣ですか?どうやって巣を作りますか?

ここ数年は卵を産んでないため、自分(飼育員さん)が土を盛って上を平らにして、卵を産む欲を高めています。
普通は自分たちで土を運んで作りますが、今は、そこまで(発情が)いっていないので人間が手助けして、刺激しています。普通なら、くちばしで土を集めて山を作ります。なので土が固くならないようにホースで水を出して気を付けています。

産卵時は、飼育員もある程度手伝います。夏場の場合、蛇が多いので、食べられないように偽卵をおいて、殻が破れる直前まで孵卵器で保護しています。産まれるときにもどしています。

また、夕方に鳴くときは、発情が来ています。最近、発情期が来ているのかな~という感じです。ピンク色が出てきたので期待はしています。

他では話していないここだけの裏話はありますか。
(ちょうど強い風がふいて、コフラミンゴ達が羽を広げて宙に浮いていました)

フラミンゴは飛ぶために一定の助走距離が必要なので、本来はこの舎の広さだと飛ばないので檻は必要ないのですが、風が強いと(風に乗って)飛ぼうとします。なので、安全のため上にネットを設けました。

羽ばたくコフラミンゴ(20191212)

(すぐそばをダチョウが通ることがあると思いますが怖がったりしないのですか?)

毎日のことなので、慣れたと思います。シマウマが近づいても怖がったりはしないですね。でも、人には慣れないです。人が舎に入ると警戒して距離をとります。
ダチョウが飼育員を好きなので、よく寄ってきます。

(簡単にわかる、オス、メスの見分け方などありますか?)

鳥は、雌雄同色の場合は、大体、体が大きいか小さいかです。また、フラミンゴは足が太くて長いのがオス、細くて短いのがメスという見分けもあります。
でも、区別が難しいグレーゾーンもあります。コフラミンゴの場合、その時は頭の形で、こぶがあるのがオス、出てないのがメスというのもあります。

(両足の方がバランスがとれそうですが、両足で立つことはないですか?)

そうですね、風が強く吹いていても片足で頑張っていますね。寒いときに、体温を下げないためにそう(片足立ち)しています。足もときどき変えていると思います。利き足もあるのではないかな~。強い風が吹いたら片足のままで、羽でバランスを保ったりすることもあります。


繁殖のために様々な工夫をされていることを知りました。ぜひ成功してほしいですね!お忙しいところ貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました!


インタビュー日:2019年12月12日(木)

公式サイト・動物紹介:コフラミンゴ
動物データベース:コフラミンゴ