郷土エリア(6)ニッポンツキノワグマ

郷土エリアの一番奥、緑いっぱいの放飼場で会えるニッポンツキノワグマのアイルちゃんと利子ちゃん。二頭の様子について担当の方にインタビューしました!

ニッポンツキノワグマに関する質問

アイルちゃんと利子ちゃんの2頭のツキノワグマがいますが、それぞれの性格の違いを教えてください。

アイルは、お母さんが駆除対象になってしまい、そのときにいた子供を保護した個体です。かなり小さいころに保護された子で、人との関係性っていうのが長い子です。

そのときに私たち(飼育員)も距離を詰めてコミュニケーションをとっていたので、人が好きな子です。なので、私たちが獣舎に行くと寄ってきますし、昼寝とか、…放飼場のつくり的に茂みの中で寝てるのでどこにいるか分からない時があるんですけど(笑)、ちょっと生存確認したいときに呼んだりすると、駆けて、走って来てくれたりします。

(そうなんですね。)

なので、アイルは結構、人のことが好きな個体です。

(利子ちゃんは…)

利子ちゃんは、どっちかというと、あまり人との距離感を縮めたくないタイプです。ちょっと神経質なところがあるので、私たちもあまりズカズカ行かないようにしていたりとか、本人のタイミングで距離を詰めたりするように、とか気を付けているような性格です。

2頭の好きな食べ物は何ですか?

好きな食べ物については、…どちらもやっぱり甘いものが好きです。基本的には、今はリンゴと白菜とペレットとイモをあげているんですけど、彼らは季節性がすごく強いです。

冬眠する生き物なので、全く食べない時期があったりしますが、基本的にはリンゴがその中では好きです。後は、日本の動物なので、季節の…今の時期なら柿のような甘いご飯も結構好きだったりします。

(柿とかのフルーツですか?)

そうですね、基本的には食べます。

以前、キュウリをあげたら食べ物として認識しなくて(笑)、あまり野菜系はズカズカ食べたい感じではない、という印象です。

後は、シーズンですね。今の時期はもう食欲が落ちてきてしまっているので、リンゴくらいしか逆に食べないです。好きなものしか食べない時期に入っています。

(寒くて動きたくなくても、リンゴは食べたいという感じですか?)

そうですね。でもアイルは食べるんですけど、利子はもう今ほとんど何も食べません。もうほぼ冬眠で…見ていただくと分かりますが、もうずっと寝ています。まあそういう生き物ですので、はい。

2頭のコミュニケーションはありますか?

基本的には、2頭は接点を持たないようにしています。多分、隣同士にすると喧嘩が始まると思うので。

(そうなんですね)

一緒にすることは、基本的にはないですね。

アイルちゃんとは最初の頃は積極的にコミュニケーションをとっていたとのことでしたが、具体的にどんなことをしていたんですか?

私が担当する前の話なので聞いた話になりますが、基本的に若い頃は好奇心旺盛なので、おもちゃをいっぱい入れてあげたりとか、色々なときに声をかけたりとか、危なくないように檻越しで直接ご飯をあげたりとか、色々していたというのは聞いてます。

(慣れさせるためにいろいろ工夫して…ってことですよね)

そうですね。
結局、動物園で暮らすことがほぼ確定していて、野生に帰ることっていうのはほぼないと思うので、やっぱり人間との距離、怖くない程度の距離は詰めた方がいいのかな、って私は思っています。

放飼場が広くて、木や草、プールなどがありますが、2頭のお気に入りの場所とか過ごし方に違いがあったりしますか?

今、アイルのブームがあって。プールで鼻まで水につけてブクブク鼻から息を出すのがなぜか彼女の今のブーム(笑)。

冬になって回数は減ってきたのかなと思うんですけど、ときどきまだやってるので、何故か急に始まった彼女のマイブームです。

(プールのブクブクが?)

はい、それが放飼場での今の楽しみなのかな?ってちょっと思ってます。

利子は最近、冬眠時期に入ってしまって、外に出るともう寝てしまっておうちに帰ってこなくなってしまうので、基本的には室内展示場にいます。夏場は暑いので、風通しがいいこの茂みの中で結構寝ていることが多いです、これは2頭共ですね。

(利子ちゃんもアイルちゃんも茂みが好きなんですね)

そうですね、やっぱり涼しいのかな?日陰で。

(季節ごとの違いはありますか?)

夏は暑いので、茂みに入って(隠れて)しまいます。秋には、私たちも放飼場にドングリなどを撒いたりするので、それを探索する行動がアイルは特に多いです。フィーダーといっておもちゃにご飯を入れたりとかするものがあって、結構色々なところを歩き回っている印象はあります。

(じゃあ秋は活発に?)

そうですね。秋と…春はちょっと寝ぼけてるので、秋が一番クマらしいかもしれないですね。

ごろんと利子ちゃん。リラックスしていますね。
ツキノワグマ放飼場は自然の環境に近くて、アイルちゃんも利子ちゃんも喜んでいると思います!

 

ヒグマやマレーグマは爪切り・注射とか訓練を受けていると聞きましたが、アイルちゃん利子ちゃんはそのような訓練はしていますか?

まず利子は、ちょっとそれ(訓練)をすると感情的になってしまって、私たちも本当に危ないので、今のところそういう取り組みはしていません。

アイルは、一度トライしたことがあるんですけど、獣舎の檻の隙間に幅がありすぎて、色々道具は作ってみたんですけど、こうスカって抜けて私たちにブスって入ってくるくらい。

安全面的に、改修工事をしないと難しいかなってことで、今のところはやれていないです。

(最近やっている飼育員さんとのコミュニケーションとか、そういうものはありますか?)

アイルに関しては、毎日のようにご飯を直接あげています。あの子は、私たちが近寄ってご飯を持っていくと口を開ける子なので、ご飯をあげたりとかして、コミュニケーションをとっています。

(やっぱりご飯をあげるときが一番?)

やっぱりご飯をあげるタイミングが一番のコミュニケーションのタイミングかなと思います。

(口を開けて待っているんですね)

あれがあの子の癖みたいになっていて、『ここ入れてよ』みたいな感じです。

(利子ちゃんの方は、やっぱりあまりコミュニケーションとかは取らないですか?)

そうですね……なかなか厳しいのが現状ですね。

ご飯のときは口を開けて『ここ入れてよ』・・・とっても可愛らしい姿なんだろうと想像できます!

 

アイルちゃんと利子ちゃんの「こんなところが可愛い・面白い・興味深い」など、お客さんにぜひ見て欲しいポイントがあったら教えてください。

アイルの話ばかりになってしまいますが、アイルは私たちが設置したおもちゃとかにすごい反応してくれて、お客さんとかの前でも堂々と色んな行動をしてくれるので、そういうのをぜひ見ていただきたいなと思います。

あと台の上で寝てたりもするんですよ。ベンチみたいな台が置いてあるんですけど、あそこで寝てたりするのも可愛い姿なので、そういう姿も見ていただければと思います。

(よく僕も見に行くんですけど、台の上で座ってたりとか…)

そう、そうなんです。

(あとはよく、僕たち人間を結構意識してる?じゃないですけどそんな感じがして…)

そうです、そうです。彼女は多分すごくよく人の動きを見ていて、お客さんのことも多分人間観察してると思います。

(利子ちゃんとコミュニケーションは難しいかもしれませんけど、利子ちゃん自身はリラックスして暮らしていますか?)

私たちと密にならなければ多分彼女はそれでいいので、本人のいい感じで暮らしてもらっています。高齢になってきているので、人間もそうかもしれないんですけど、高齢になるにつれて自我が強くなってきてるので。なので、その向き合い方はみんなで相談しながらやっています。

利子ちゃん、いい感じに暮らしてます!

→ 郷土エリア(7)ニホンザルに続きます!


インタビュー日:2025年12月17日(水)