果物は、バナナ、リンゴ、キウイです。野菜ですと、インゲン、小松菜、あとイモとニンジンのような根菜類で糖質が高くカロリーが高いものを、煮て柔らかく甘くしてあげています。
タンパク源としては、ゆで卵、煮干し、ピーナッツをあげています。ピーナッツは以前は殻無しであげていましたが、いまは少しでもご飯の時間を長めにできるように殻付きであげています。
他に、サル用のペレット、園内のどんぐり、イベントでは季節の果物をあげます。イベントで余った栗や柿は、毎日同じご飯で飽きないように、気分転換してもらうためにあげています。あと、中に飾ってある枝も実は食べています。パタスザルはアフリカに生息しているサルで、現地ではアカシア系の木の樹皮から出るアラビアガムを食べています。日本では桜ぐらいしかないので、桜の木を置いてあげています。
好きな食べ物は甘いものですね。リンゴやバナナ、栗、柿、冬瓜などが好きです。
パタスザルは霊長類で一番足の速いサルです。お客さんに走り回っている姿を見てもらえるように、獣舎自体を縦長の造りにしています。獣舎自体が、パタスザルが過ごしやすくなるように考えられて作られたもの、ということですね。獣舎内には擬木を置いていますが、園内のいらなくなった本物の木も一緒に置いて、環境を作っています。陸上でも木の上でも、パタスザルたちが過ごしやすくなるように獣舎を工夫しています。
パタスザルは、オス1匹に対してメス数匹という「ハーレム」という群れが特徴です。同じ群れにオスが複数いるのが不自然な種です。ゴリラだとたくさんオスがいても大丈夫で、オランウータンだとオスとメスは単独で生息しています。サルでも種によって構成する群れが異なります。
オスが性成熟して子供を作れるような年齢になったら、つまり大人になったら、群れから分けます。オスの性成熟がだいたい3歳から4歳といわれているので、フォルテ君は3歳の時に裏の部屋に移されました。
オトメさんが「音」なので、音系の名前が付けられています。パタリロは、昔の漫画の「パタリロ」が由来だそうです。「パタ」スだから、「パタ」リロ、なのかな?リズムとブルースは、音楽ジャンルのR&Bが由来です。パタスザルの名前は、そのときの担当者が決めて名付けています。
そうですね、、、小さい子があまり好きではないと思います。すごく警戒して威嚇します。飼育担当になった最初の一カ月は、私も「ゴーゴーゴーゴー」と威嚇されました。
(このあとバックヤードを見学させてもらいましたが、男子学生にも威嚇していました。)
感情によって鳴き声が変わります。
(オトメさんから威嚇されたときの音声です)
正確なことはわからないのですが、見ているとお姉ちゃんやおばあちゃんがみんなで抱っこし合っているので、おそらくサルの習性なのだと思います。
奥に3部屋、展示室が1部屋で、全部で4部屋ありますが、この部屋数の都合があります。今は群れとして安定していて、子供も生まれていて、喧嘩も少ないです。新しいメスを入れたとき、群れと合わず、一度喧嘩をしてボコボコにされてしまうと、もう群れに戻すことはできません。そうなったとき、部屋数を考えると、そのリスクを負ってまで新しいメスを入れることは難しいです。今のメロディーお母さんが歳をとり子供が生まれなくなったら、群れを変えてみてもよいのかもしれませんが、今は繁殖もうまくいっていますし、このままでいきたいと思っています。
今回のインタビューでは、興味深い話をたくさん聞かせていただきました。バックヤードも見学させていただき、ありがとうございました!
インタビュー日:2019年12月12日(木)