ホオジロカンムリヅル

ホオジロカンムリヅルのほぺことほぺ(2020/02/27)

ご飯は何を食べているのですか?また好物はありますか?

葉物、山東菜や白菜ですね。後、成型飼料とハト餌、パンになります。

(成型飼料というのは…?)

ニワトリにあげているような(専用の)配合飼料です。

過ごしやすい環境にするために何か工夫していることはありますか?

カンムリヅルの特性として、夕方に結構木の上にいることが多いことから高台を置いています。結構あの上にいることも多いです。また、雨よけとして使うこともあります。

「ほぺこ」と「ほぺ」は仲が良いですか。また、繁殖行為の時、求愛ダンスをすると聞いたことがあるのですが、パークで見ることはできますか?できるとしたらいつ頃ですか?

羽根をバタつかせて喧嘩する時もありますが、基本的に2羽の仲は良好です。繁殖期(巣を作る時期)には互いにダンスをする時があります。冬などの寒い時期は見ることが難しいですが、春や暖かい時期になると見れる可能性があります。

よくガラスをつっついていますが、何か理由はあるのですか?また、ガラスをつっついている時、人間が近づいても、ノーリアクションなのですが、それは、ガラスに夢中になっているのですか?

理由は特にないですが、ガラスにくっついてる虫をつついていることがあるので、その慣れでつついているのではないかと…。ほぺこ(オス)の方がよくやってますね。

人のことはあまり気にしません。(ガラスの存在を認識しているので)ガラスの向こう側だから(平気)という感じです。こちらから驚かすようなことをすれば離れていっちゃうと思うんですが、基本的には反応しないことが多いです。

オスのほぺこには「こ」がついていて、メスのほぺには「こ」がついていないのはどうしてですか?

元々「ほぺこ」という名前がオスについていました。候補として「ほぺみ」なども出てきたんですが(笑)、「ほぺ」で決まりました。

ホオジロカンムリヅルの冠羽(かんう)は伸びるものなのですか?また、冠羽を触ったことはありますか(手触りは?)?

冠羽自体は抜けるものですが、また生えてきます。
今日は実物を持ってきたのですが…後で手を洗ってもらえれば、触って大丈夫ですよ。

冠羽が特徴的なホオジロカンムリヅル
(触らせて頂きました!なんだか捻じれてる?)
ホオジロカンムリヅルの冠羽!(2019/12/12)
触らせてもらいました!(2019/12/12)

そうですそうです!らせん状ではなくて三つ編みみたいな感じで立体的になっています。ヘビクイワシの冠羽は見たことありますか?

(すみません。ないです…)

一般的な冠羽は羽軸がピーンとはねていますが、カンムリヅルは何本かの羽軸が重なり合って立体的な構造をしています。とても珍しい種類なので見ごたえがあります。

あごの下にある赤いものは何ですか?

名前は「肉だれ」でニワトリと似たようなものです。普段見ていても、特に意味はあるようには感じません(笑)。繁殖期に色が変わったりすることもありません。
(繁殖期の)春先になると白いほっぺたがより赤く色づいたりなどの変化がみられます。

他では話していないここだけの裏話があったら教えてください。

元々ほぺこ(オス)がいて、メスが日本平動物園から越してきました。その時に、オスメスをどうやって一緒にするか迷いました。真ん中に柵を作って分けようかと考えましたが、とりあえず一緒にしました。

最初、喧嘩するかと思ったのですが案外すぐに仲良くなりました。それは(今となっては)良かったな、と思っています。実は、ほぺこ(オス)が人が入ったら攻撃をする個体なので、ほかの個体が入ると攻撃をするのでは?と思っていましたがメスだからなのか、攻撃がなく安心しました。

すぐに仲良くなれてよかった!
(まだ飼育員さんに攻撃してきますか?)

飼育員にはまだ攻撃をしてきます。ほぺ(メス)が来てから自分のテリトリーを気にするようになって、さらに攻撃的になりました。ほぺは人懐っこい性格なので手からもご飯を食べてくれてとてもかわいいんですが、ほぺこが後ろでにらんできてるような気がします(笑)。

ほぺ(メス)の方は白い頬にちょこちょこ赤みがあって、ほぺこ(オス)の方は頬に目立つ赤みがあります。どっちかというとほぺこの方が美人(笑)。

(さっき羽ばたいて睨み合っていたような気がしたんですが…)

大丈夫です。そういったコミュニケーションだと思います。
実は、最初の最初は互いに距離を取りながら、つつきあって様子見をしていました。その時と比べたら、現在は、羽ばたいたりして威嚇しているように見えるんですが、ただのコミュニケーションの1つですね。

(寝るときってどうしてるんですか?)

本当の夜はあまり見ることはないのですが、夕方には高台の上に二羽並んでいることが多いです。寝ているのか?と言われると、休んでいることが多いです。下でも休むことはあるんですが、野生下では木の上で休んでいるので(そういう)習性だと思います。

手前のあの小さな木の上で休んでいることもあります。低いし柔らかな木なのでバランスも悪くて、あまり休めていない気がしますが(笑)、上って遊んでいるようなときもあります。

今、高台の下に枝を置いているのですが、春先になってくると、オスもメスもあの枝を手前の左の方に持ってくることがありますが、繁殖期の時期の合図です。

(鳴きますか?)

閉園間際に鳴くことがあります。オスメスで鳴き方が違うので、機会があったらぜひ聞いてみてください。
オスは結構高めの「ホワオ、ホワオ」とサイレンみたいな鳴き声を出しますが、メスは少し低めの「ホーン、ホーン」と鳴きます。繁殖期にはメスがよく鳴きますが、普段はオスしか鳴きません。春先になると互いに鳴きあったりしています。


とーっても気になっていたあの冠羽を触らせてもらえて大感激です!この春は求愛ダンスが見られるかな?
お忙しいところ貴重なお話を聞かせてくださり、ありがとうございました!


インタビュー日:2019年12月12日(木)

公式サイト・動物紹介:ホオジロカンムリヅル
動物データベース:ホオジロカンムリヅル